不毛な恋ほど盛り上がる
女の子が複数集まれば、
共通の敵の悪口か恋の話しかない。
その輪の中に彼氏持ちの人がいれば、たちまちそうは見せない彼氏自慢、もとい、誰かに愛されている私主張が始まる。
がしかし、フリーが集まるとどうだろうか。
前菜を食べ終わる頃に1回目の彼氏ほしい。
メインを取り分けて、彼氏ほしい。
スイーツを選びながら彼氏ほしい。
という、彼氏ほしいのオンパレードとなる。
フリーたちの彼氏ほしいトークにもルールがある。
それは、本気すぎないこと。
ここで本気の恋の話をするべきではないのだ。
本気の相談は初めからそう題して集まらなくては。
とりあえず食事行こう、の時の会話はフェアでなくてはいけない。
全員が気持ちよく平等に傷つくべきものなのだ。
ということで、
叶いそうで叶わない
もしくは、かつてこんな事があった
的話が最も適している。
なんと生産性がないこと…!
しかしまぁなんと楽なこと。
「え、それいけるって」という言葉の無責任感。そして微妙な気持ちよさ。
元々、どうにかならないかなーと若干期待をしている関係だから、いいと言われて悪い気はしない。
聞いている方は本気度が高くないと分かっているから相手の顔を見ながら適当に煽ることも出来る。
だから、もしかして本当にどうにかなるんじゃないかという気分にさせられる。
そしてさらに盛り上がる。
向かっている方向としては負だが、お互いの気持ちは正のスパイラル。
会が終わるときには、次の報告楽しみにしてるー!と、あたかもごく普通の恋の話にすり変わっている。
しかし立ち返れば本来は恋にならないB級品なネタなのだ。
次回話すときには、全く違う相手との全く違う不毛な恋の話に変わっている。
なんと不毛なことか。